炎症を抑えるには脂肪の量を抑えるよりも脂肪のバランスが大事というお話

2019年6月12日

私の持病であるIBD(炎症性腸疾患)の病気では、食事制限で脂肪30gまでという制限があります。

ですが、この制限ってあんまり根拠が無いのかなーと思っています。

なので、研究を見てみて自分で脂肪に対する対処を考えてみようという記事を書いてみました。

ではスタートです。

脂肪酸の種類

知っている方は多いかと思いますが、まずは脂肪酸の種類についての復習です。

飽和脂肪酸

炭素間の二重結合が全く無い脂肪酸。
バターやラード、ココナッツオイルなどに含まれます。
非必須の脂肪酸。

不飽和脂肪酸

炭素間の二重結合が1つ以上ある脂肪酸。
植物油や魚、オリーブオイルなどに含まれます。
オメガ3とオメガ6は必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)。

種類 必須 一価/多価 食品例

備考

オメガ9 一価 オリーブオイル  
オメガ3 多価 酸化しやすい
オメガ6 多価 植物油  

オメガ3とオメガ6の関係

オメガ3とオメガ6の両方で細胞膜を作るので、2つの脂肪酸はかなり重要な脂肪酸。
しかし、どちらかが多いまたは少ないとバランスが崩れ、身体に悪影響を及ぼすと言われています。

そこで今回ご紹介する研究は、IBD(炎症性腸疾患)において、オメガ3とオメガ6の比率がどう影響するか調べられた研究を見てみました。

ご紹介する研究

・論文タイトル(意訳)
The Imbalance between n-6/n-3 Polyunsaturated Fatty Acids and Inflammatory Bowel Disease: A Comprehensive Review and Future Therapeutic Perspectives(n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸の不均衡とIBD:総合レビューと今後の治療展望)

・論文リンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5751222/

・公開日
2017年12月18日

研究結果-バランスの変化

研究によると、現代の食事ではオメガ6とオメガ3の比率は20:1で、旧石器時代の食事ではオメガ6とオメガ3の比率は1:1だったそうです。

どえらい違いだ…
旧石器時代なので200万年以上前のお話ですが、オメガ6が多くなったのはつい最近なので、現代の身体がこの比率に対応できていない(進化できていない)可能性は十分に高そうです。

研究結果-IBD(炎症)への影響

オメガ6とオメガ3の比率(※)でオメガ6の比率が多い場合、潰瘍性大腸炎の再燃率が高いという結論(ほぼ100%確実)とのこと。
※ 正確にはアラドキニン酸とエイコサペンタエン酸(EPA)の比率での実験なので、EPAの摂取は魚貝類が対象(亜麻仁オイルなどの植物由来はEPAではなくて、ALAが成分であるため実験対象外)

オメガ6は炎症に作用するとは言われますが、IBDへの影響は甚大のようですね。

補足:サプリメントのオメガ3

サプリメントのオメガ3について補足です。

オメガ3は酸化しやすい性質を持っていて、酸化している油は毒性を持つため、炎症を引き起こします。

なので、加工して作るサプリメントは酸化している可能性が高く、摂取はおすすめできません。酸化しない製法で作っていることが保証できているのであれば、良いですが…

まとめ

  • オメガ6:オメガ3=1:1に近づけたほうが良い
  • 油を使うなら「オリーブオイル」(オメガ9系)、たまに「バター」(飽和脂肪酸)など
  • オメガ3はサプリメントによる摂取はしない

健康IBD, 炎症

Posted by tadano